パシー・シュル・マルヌ村の真南向き斜面畑より。粘土石灰質土壌。平均樹齢約35年。現在販売中のものは、ピノ・ノワール70%、ピノ・ムニエ30%のブレンド。5年間ビン熟成。ドザージュは約10g/l。ラベルの左側に記載されている「D」「J」「A」の文字は、アランの祖父ダニエル、父ジャン・マリー、そしてアラン本人の頭文字です。
イマジネーション溢れる鬼才アラン・ナヴァールの最高傑作、「ジェネラシオン・トロワをご紹介します。
シャンパンの醸造は、秋に収穫したぶどうを発酵させてワインを造り、翌年春、そのワインに、前年以前に仕込んでタンクで貯蔵していたワイン(ヴァン・ド・レゼルヴ)をブレンドし、瓶内2次発酵を誘発する酵母等を添加してビン詰めすることが基本となります。
優良なRMの場合、収穫年はもちろん、品種、区画、収穫日等の違いごとに別々のタンクでワインを貯蔵しており、ビン詰め時のブレンドは、それぞれのタンクごとに試飲を重ね、各ワインの特性を吟味した上で行われます。造り手の腕や感性が最も出やすい、シャンパン造りのハイライトのひとつです。
とはいえ、「品質や味わいができるだけ毎年均一になるように」というシャンパンの基本概念がありますし、さらに、通常は「商品ラインナップ」が決まっていますので、このタンクとこのタンクはスタンダード・ブリュットに、このシャルドネはブラン・ド・ブランに、というように、あらかじめいくつもの有力な判断基準が存在します。
「ジェネラシオン・トロワ」は、この毎年のビン詰め時におけるブレンドの判断基準を、「2000本分、最高品質のシャンパンを造ること」一点のみに求めた、他ではまず聞かない、珍しいコンセプトの作品です。